違う世界になりました、ただただありがとう

TAMIKOです。

先日久しぶりに奈良に戻ってきました。いつもと同じ光景なのに、違う世界に見えています。

先週最愛の母が永眠しました。

余命宣告を受けてから約２ヶ月。当初言われた二週間から大幅に私たちに時間をくれました。

いつものようにパソコンに向かった朝５時。座ると共に、電話が鳴りました。呼吸状態が変わってきたので　今日かもしれないし、明日かもしれないのできてください、と。

緩和ケアなので　酸素などの供給はしないので、自立呼吸。病院に着くと、かなり苦しそうで、とても声を出せる状態ではありませんでしたが、私がきたことを伝えて呼びかけると　全身の力を振り絞って声を出してくれました。わかっている、聞こえている、という証に。

弟夫婦も程なく広島から到着。午後から母の妹の通常の面会予約が入っていましたが　それも母に伝えました。それまで持つのか、と思ったから。

緩和ケアでできる対症療法をしてもらいながら、叔母たちも面会を終え、苦しいピークは超え、「あと1時間くらいかも」と言われ、弟のお嫁さんが親戚に連絡をしに出て行った直後、弟と二人で話をしながらそばにいたら、えっ？というぐらい安らかに息を引き取りました。

きっと会いたい人にはみんな会えて、子供たち二人の話し声の中で安心して逝ったのだと思います。最後涙が出ていました...
黄疸がひどかったので　涙まで黄色でした...

看護師さんが「これだけ黄疸がひどいと、嘔吐だったり吐き気だったりして食欲は無くなるのですが数日前まで食べられていたので、驚きを持ってみていたんです。生きることへの前向きな気持ちを持たれてたからでしょうね。」と。

本当によく頑張ったし「生き抜く」ということを教えてもらいました。1日1日をどれだけ全力で過ごしてきたか、そしてこの14年、一人暮らししながらの闘病の中で、オペをしては自宅に戻りを繰り返してきたのを見てきたので　そして余命宣告を受けてからの２ヶ月は　私もできる限りのことをしてあげれたと思うので、不思議と、もう少し生きて欲しかった...そうはなりませんでした。

本当によく頑張った、ありがとう、もう十分だよ

と。「生き抜く」「生き切る」それを目の前で体現してくれました。そして　いつも自分より周りの人のことを考えて、周りの人にいつも野菜と共に笑顔と愛を届けていたことが、みんなが駆けつけてくれたことに現れていました。

実は前日には、末っ子が面会に行っていました。叔母と行ったので私は同席していないのですが（面会も１度に二人までと決まっています）呼びかけた時に、「〇〇ちゃん」と絞り出すように声を出したそうです。おそらく、これが発した最後の言葉でしょう。

この世でいろんな修行をするために輪廻転生をするというのを私は信じています。そしてこの世の姿の体を離れたら、体は一切の苦しみから解放されると。

だから　父にご飯を作ってあげて、大好きな野菜作りをどこも痛くない体で思う存分して、また多くの人にそれを配って喜んでもらって、一方で孫自慢をして楽しく暮らしていける、そう思ったら　とても寂しいけれど、会いたいけれど、

「本当にありがとう。やっと楽になれるね。」
そんな言葉しか出てきませんでした。

そして亡くなる時まで子供のことを考えてくれていたとしか思えないタイミングでした。

仲良しだった主人が一時帰国の間だったこと（当初の余命宣告では、会えないと思っていたのに）
ビザの有効期限内に渡航するにはギリギリのタイミング
49日と初盆の間が二週間しかないので　私が往復せずに一度で済むように

亡くなる時まで子供のことを思って、母って本当に偉大だなあ、とただただ思いました。

その後、渡航後の手続きを主人が確認してくれて、居留許可証のために提出するパスポートも、49日には間に合うタイミングで返却されるのもわかり、母に脱帽です...

私が2月、渡航できる状態になった時に、上海と日本を自由に行き来できる状態にしておきたいから（母の闘病のために）渡航することを　悩みながら決めたことを知っていた末っ子が　葬儀の後にそっと言ってくれました。
「もうこれで心置きなくお父さんのところへ行けるやん」

遺影の写真は溢れるような笑顔の写真で、母の大のおきにいりの写真で、元気な時に
「遺影はこれにして！」
と言っていたもの。写真を見ると、今の母はまさに写真の笑顔なんだ、と思えてきます。体があるときは離れていたけど、今はずっと私の胸の中に一緒にいてくれています。

自分の意志で、最後まで前向きに生き抜いた母は大往生。天晴れです！長生きするだけが大往生ではありません...

私も、これからの人生、あなたのように、あなたとは違ったやり方で”人を笑顔にする”生き方をしていきたいと思ってるよ...

渡航まであと二週間。寂しさに浸っている間がないのも、やっぱり母の測らないなのかもしれません、どこまでも、天晴れの人です。
私も、母のような”母”になれるよう、心してこれから生きていきたいと思います。

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