職業に優劣はないですが

TAMIKOです。

余命宣告を受けたその日、私は母を実家へ外泊させる予定でいたので、そんな動揺は隠してその夜過ごさねばなりませんでした。

ソファーに座ってテレビを見ている母、話をしたらお茶目なことを言って首をすくめるかわいい母、一方で 介護用ベッドではないので、いろんな動作が不自由で痛いので「もう施設に戻らんとおえん」と腹立たしげにいう母、

いろんな母の表情を見ながら
「こんな母のこんな顔も あと少しでみれなくなる...??いや、嘘だろ」

だって、今までとどこも変わってないのに、二週間後?後でお嫁さんと話したのですが

”もしかしたらドクターは他の患者さんの血液検査と間違えて、それを見て話をしていたのでは?”
と思ってしまったほど。

でも、現実なのだから、と働かない頭を働かせて、とりあえず、子供たちに事情を伝えて 今まだ元気なうちに帰って欲しいから、今週末帰って!と招集をかける。

みんな日帰りや、あるいは一泊で都合をつけてすぐに飛んで帰ってきてくれた。

施設のケアマネさんが
「ご本人の希望もそうですが、できるだけご家族の方の思いに寄り添って、できるだけそれができるようにこちらでもさせていただきたいと思います。」

とおっしゃっていたかと思ったら、自宅にリハビリの先生と来てくださり、

「生活環境で不便なことはないですか?そちらを見せていただいて、必要な介護用具を設置したりします。介助でお困りのことはないですか?
ご本人がもし希望されれば 昼間デイサービスに来てもらえたら 入浴もできますし、その間娘さんは少しでも休むことができると思います。私も、昨日、娘さんのお気持ちをお聞きして 家に帰ってから、どうしたらいいだろう、と考えたんです。」

もう、女神のように見えました。私は二週間の余命宣告を受けた母と一緒に3泊家で一人介護をするのですが、心の中は土砂降りでも そんなことは顔には出せない。介助の仕方も勝手がわからないから本人に楽なようにしてあげられない、夜のトイレに母が行く時も気づいて起きてついていかないといけない、ソファーから立ち上がるのも難しいので 一人でやろうとしないように、何をしていても常に見るようにしていなくてはいけないなどなど、本当にわからないことと、気を抜けないことで でも後時間は少ししかない、という絶望の沼にハマりかけていた時に、この配慮です。

リハビリの先生に、介助の仕方を実践で色々教わり、必要な介護用品もつけてくださり、そしてそれまでは
「もうデイサービスはずっと行ってないからいい」
と私が言っても聞かなかった母が、1番のお気に入りのリハビリの先生に提案されたら、しおらしく、すんなりと
「はい、行きます。」

このリハビリの先生も、”あ、この方はこれが本当に転職なんだな”と迷わず思わされるような方。母がお気に入りなのも納得の方。そしてイケメンだったので(笑)、母もいつまでも女子なんだな、とクスリと思ったり。

ケアマネさんの言葉に
「どれだけ感謝を伝えても伝えきれません。本当にありがとうございます。」
というと
「いえいえ、私たちは、ご家族の想いに寄り添えるように、ただそう思って...」
と仰りながら涙ぐまれて。

ショートステイの人がデイサービスにはルール上はいけないのです。ただ特別に 本人と私のことを考えてくださり、結局、本人はデイサービスを楽しみ、翌日も行きました。

「こんな職業って...こんな職業だったんだ」
それが私が深く感じたことでした。

いろんな職業があります。私は直前まで通訳ガイドをしてきたので、それと思わず比較していました。もちろん、海外からのゲストの日本滞在を豊かなものにして喜んでいただく、それはひいては国際親善になる、とわかっています。そして、ホテルのコンシェルジェ以上のホスピタリティや機転が求められる とても大変な仕事であることも実体験しましたから、間違い無く自分を錬磨できる仕事でもあります。

ただこの方達の日々されているリビングニーズを高めるような、この種の仕事とは全く違うわけで...そんな思いを友人に話したところ

「いや、それはどっちも必要な仕事だと思うよ。ガイドはやはり生活を豊かにするし。」

じゃあ、ケアマネや理学療法士のような仕事が私にできるのか?と言ったら、資格の有無は別として、私ごときの人間にはとても務まらないのはわかっています。

また病院で接する看護師の方。ドクター以上に素晴らしい!と思う方にもお会いしています。末っ子がまさに今それを目指して勉強しているので、また違った目で見てしまうのですが、
「あんな看護師になって欲しいな」
と話したりもしています。

ただ、この時受けたある種の衝撃が これからの自分の仕事のあり方を考えるきっかけになったのは間違いないです。ガイド業を100%にするのは違うな...教えることやコーチング、やはり何本立てかでやっていきたいし、いや他にできることはなんだろう、と。

もちろん、その答えは この先上海に再渡航してからゆっくり考えたいと思います。

みなさん、干支ってご存知ですか?
実は私、非常にスローペースではありますが陰陽五行論なるものを学んでいるのですが、干支は60個あります。それが一周するので”還暦”。つまり、また新しい60年が始まるわけです。還暦を前に、今実体験していることが、これからの人生を考えるヒントになっています。答えはこれから探していくのですが。

今回のことで こうやって自分が触れたことのない世界、お会いしたことはあっても、そこに深く触れたことがない方々と言葉を重ねて、感動と感謝の日々でもあります。

どんなに辛い状況でも、一方でこういう思いを抱かせてもらえると、一人じゃないんだ、と前を向くことができているように思う、そんな日々を送ってきています。

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