追悼
英語Terakoyaです。
昨晩、かつて子供同士が同じピアノ教室に通ってた友人から突然電話。コロナで 帰国後も 会えていなかったので、何事か、と驚いたのですが。
ピアノの先生が亡くなった、との知らせに絶句...
わたしと年齢もおそらく変わらない先生なだけに、そして最後にお会いしたときの7年ほど前の姿しか覚えてないだけに...
時間とともにいろんな思いがこみ上げて来て。
子供四人、みんな3歳からピアノを始めました。浜松、岡山、香港、奈良、上海と転勤するなか、いろんな先生に教わって来ました。
七人かな。
中には、子供相手に、明らかに感情を出して怒る先生もいました。小さい子ですよ、眠いときもあれば、やりたくないときもある。そういう先生の元では 長くお世話になりませんでしたが。
そんな中、この先生だけは、絶対におこることはなく、声を荒げることもなく
ただただ根気よく教えてくださいました。
眠い時などは、こちらがイライラして怒りたくなるほど 失礼な態度のことも時にあったのですが そんなときも決して。
先生にお世話になったのは下の二人だけですが(うえ二人は引退笑)、二人とも一度もやめる、なんて言ったことはありませんでした。
先生には、本当にたくさんのことを教えていただき、経験させていただきました。
コンクールへの出場を勧めてくださったのもこの先生。それまでは、発表会のみの普通のピアノ生活でしたし、コンクールなんて考えたこともなかった。
だけど、先生はコンクールへ参加すること自体がとても良い経験になるから、と勧めてくれて、結果定期的に参加することになりました。
一つの目標を設定して、それに向けてコツコツと毎日地道に積み上げてる姿勢
そしてコンクール当日の極度の緊張感の中で、一人舞台で弾ききる度胸・勇気
(わたしなんて、子供が小さい時は、一緒に舞台に出て、足台をセットして 椅子の高さを調節するだけで心臓ばくばくでしたから)
結果発表で、よければ、飛び上がるほど嬉しくて、それが次への確実な自信に繋がり
よくなければ、飛び上がって喜ぶ他の参加者のいるところをすぐに離れ、地面の中に沈んでしまいそうなほど落ち込み、涙を流し、「もうコンクールなんて出ない!」と捨て鉢になる、そんな
つまり、どちらもコンクールに参加しなければ体験できないような感情を味わうことができました。
でも不思議と、ダメでも、「次こそは」って子供はなります。小学生の子が、大きなホールで 一人舞台に出て ただ番号を呼ばれて、拍手も何もない、異常な緊張感の張り詰める空気のなか 弾ききるのは並大抵のことではないと思います。結果なんて二の次で、その雄姿だけで素晴らしい!
そこへ至る過程はやはり大変で、コンクールが近づくと、先生は普段のレッスンの他にも「もう少しこれませんか?ちょっとでも」とおっしゃって、
日中はレッスンがびっしりなのでその日のレッスンの生徒さんの後に、本当夜10時とかにレッスンをしてくださったり、
「当日は、一回でも弾いて 本番に臨んだ方がいい」
と言われて、朝早く家を出なければいけない時は(兵庫、大阪、京都、名古屋までも行きました)自宅ではとても弾けない時間帯になります。
朝一に向かわないと間に合わない会場や時間の時だと
「じゃあ、5時はどうですか?」
ご、5時!!!わたしは余裕で起きていますが、5時に行くということは子供を4時には起こして支度させて、と考えると、それはとても無理で
「5時半でもいいですか?」
とこちらが聞くほどでした。もちろん、数回弾いたらもう向かわなければならなかったのですが、うちの後には他の生徒さんがすでに待機!
なのに、先生、神業のように、本番で子供の番が来る前には 必ず会場に来てくださっていました。ワープしたの?ともうほど。もう、先生が見てくれているだけで子供は安心したのではないかと思います。
ピアノを教えることが天職の先生だったと思います。どんどん生徒さんも増えられて。
次男は ”共感覚”を持っていることを 先生に教えられたそうです。彼は あるコンクールで入賞して、高1の時にドイツの音楽学校に2週間 ピアノ留学までする機会をいただくことができました。最後はドイツの市民ホールで日独の共演をしました。
翌年はそのメンバーがドイツからきてくれて、大阪で共演しました。
普通ではできない貴重な経験でした。
ドイツでの教え方も、やはり違って、その経験で、自分のピアノがとても変わった、というほど素晴らしい経験となりました。それも、先生が”コンクール”という世界に誘ってくれたからです。
ピアノが子供たちの世界を豊かにしてくれたことは まぎれもありません。
先生の忍耐強い、優しい指導があったからこそです。いくら感謝を述べても足りないほどなのです。
末っ子は「大学落ち着いたら、また先生のとこへ行こうかな」と言っていましたし、次男も 落ち着いたら 同じく習いに行きたいな、などと言っていたので、夏になったら 行こうかと思っていた矢先でした。
その友人もここ数年、お子さんは大学のピアノ科に通われているので 教室には通っていなくて会えていなかったようです。
「そういえば、最後に話したときに、○くん(息子)のFBを時々見てる、って言われてたよ。」
と言われました。
大学での演奏会の動画などをアップしていて、それを見て先生がコメントをくださったことがありました。喜んでくださってたなあ〜
子供たちにそれを話したら、二人とも絶句していました。
お線香だけでもあげに 伺いたいと思います。
患われてからもレッスンは続けられていたそうです。
先生がいなくなっても、先生が教えてこられた音楽が、多くの生徒さんに伝えられて残っている そんなふうに考えると 先生がいかに大きなことを されて来たのか、と改めて思いますし、ただただ感謝しかありません。
ご冥福をお祈りします。そして本当にありがとうございました。
まだまだ心が淀めいてしまったままです...
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次回開催予定です。
Terakoya コミュニティ 第49回
日時:6月18日 14:00-15:30(Japan Time)
場所:オンラインで開催(ZOOMでやります)
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*申し込み締め切り 当日正午(6月18日12時)
じゃ、参加してみようかな、という方は、こちらからお願いします。→🍀🍀🍀
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*第2回の様子・感想はこちらから
<参加手順>とても簡単!
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